2011年6月3日金曜日

禅定(瞑想)の分類[禅定(1)]

仏教での解脱の段階である四向四果(解脱への階梯)は、禅定(ぜんじょう、瞑想)の深さそのものではなく、執着(束縛、煩悩、結)を断滅した度合いによる。このため禅定(瞑想)と四向四果とは必ずしも対応していないが、密接な関連性は存在する。禅定(瞑想)が深まらなければ、断滅できない執着(束縛、煩悩、結)が存在する。
禅定(瞑想)はヨーガなどでも到達できるが、これだけでは仏教の目標は達成できない。禅定(瞑想)だけでは、色界、無色界に対する執着(束縛、煩悩、結)は、克服できないからである。ブッダは禅定だけでは克服できない執着を断滅する道(方法)を見出したのである。これがいにしえから存在するブッダの新しい道である。


阿含経では、禅定(瞑想)には9つの段階を数え、「九次第定」(九つの禅定の段階)としている。色界の禅定が4段階、無色界の禅定が4段階、それに滅尽定(めつじんじょう、想受滅:そうじゅめつ)を加えて、9つの段階となる。
三界の一つである欲界(われわれの日常世界)に属する禅定はなく、禅定の世界はより高い世界である色界、無色界に属する。


1.色界の禅定(瞑想)
色界に属する禅定には、次の4段階(四禅)がある。

① 初禅(第一禅)
② 第二禅
③ 第三禅
④ 第四禅


2.無色界の禅定(瞑想)
無色界に属する禅定には、次の4段階がある。

① 空無辺処(空処定)
② 識無辺処(識処定)
③ 無所有処(不用定)
④ 非想非非想処(有想無想定)


3.滅尽定(想受滅)
無色界の禅定から、さらに深まった状態として、滅尽定(めつじんじょう、想受滅:そうじゅめつ)がある。
これは、心のあらゆる動きが全く止滅した状態とされている。


「観の瞑想」は、色界定といわれ、心が五官の欲や不善から離れて、物質や肉体に対しても、それを純粋なものとして眺め、そこに欲望などによる色眼鏡が加わらなくなった心の状態である。
心は一点に集中し、他の雑念が入ることなく、その対象をありのままに正しく観察することができる。
「止の瞑想」は、無色界定といわれ、心が静止して、何ものにも心を向けず、色(物質)的な考え方もなく、心がどこにも向けられず、何ものにもとらわれることなく、真実を適切に判断できる状態である。

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