2011年6月25日土曜日

六波羅蜜との関係(1)[大乗仏教(4)]

大乗仏教で六波羅蜜(六度の行)とは、基本的に在家が行う6つの実践徳目のことである。


1.布施波羅蜜
分け与える。財施・無畏施・法施等である。

2.持戒波羅蜜
戒律を守る。在家の場合は五戒が基本である。

3.忍辱波羅蜜
慈悲の心で耐え忍ぶ。怒りを捨てる。
耐え忍ぶといっても、単に耐え忍ぶだけでよいのか。

4.精進波羅蜜
努力すること。
ただ仏道を精進する、頑張るといわれても、具体的には何をしたらよいのか、よくわからない。

5.禅定波羅蜜
心を集中して安定させる。四禅・四無色定。
どういう瞑想であろうか。

6.智慧波羅蜜
物事をありのままに観察することによって、智慧を得る。
智慧を得るために、どのように観察するのか、あまり述べられていない。


六波羅蜜の行により、修行者は徳を蓄積し、遠い未来生において、悟りを得るという。
これでは、あまりに先のこと過ぎるきらいがある。これでは、今、努力する気が起きるのであろうか。六波羅蜜は、総じて具体的には何をしたらよいのか、よくわからないものが多いという感じを受ける。
六波羅蜜には、在家への布施の強調があるようにも思える。六波羅蜜としてまとめることで、在家でもしやすくしたのであろう。布施、忍辱も大切ではあろうが、それのみを取り出しては、七科のなかで述べられていない。
六波羅蜜では、禅定のみが座禅のような修行だなということが分るが、他の項目の修行内容があいまいであるか不明であり、実行が難しいといえる。
内容的には、在家に対して、布施に重きを置いた行が六波羅蜜の行となっている。六波羅蜜の内容は、仏教教団への喜捨を勧めるためではないかと勘ぐられてても仕方のない内容である。

1 件のコメント:

  1. 大乗仏教では布施や利他を強調する余り、新興宗教(カルト)の集金に利用されるきらいがあるように思われます。
    その点、タイやミャンマーなどの上座部仏教の方が、僧侶もそれを支える一般庶民も仏教が綺麗な形で残っている気がします。

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