ここで、阿含経での修行内容と大乗仏教の関係についても若干、考察を加える。
大乗仏教で大切にされている三学「戒・定・慧」というものがある。この三学を修めることが、大乗の修行であるともいう。
1.戒
「戒」はいろいろあるが、基本的にするべきでないことをまとめたものである。
三蔵のなかの律蔵が、これに当たる。
2.定
「定」とは禅定である。具体的な方法はいろいろあるであろうが、とにかく禅定とだけある。
禅定の方法があいまいであり、座禅だけでよいのか、他のものもあるのか不明である。
3.慧
「慧」とは何か。これが一番分かりにくいのではなかろうか。
智慧とは何であろうか。智慧を獲得するためには、何をしたらよいのであろうか。
経典の教学を学ぶことも含まれよう。が、それだけで「慧」の獲得となるのであろうか。
四諦、縁起の法といっても、それを学んだだけで「慧」になったような気はしないし、解脱もできないではないか。
また、禅定が深まれば自動的に「慧」が獲得できるのであろうか。禅定が深まり、三昧となったときに得られるものであろうか。
しかし仏教では、三昧を体験したから解脱とはいっていない。三昧で智慧が獲得できるというわけでもなさそうである。
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