2011年5月11日水曜日

仏教の修行体系(失われた道)

阿含経に説かれている修行体系は、ニルヴァーナへと至るための失われた道である。
日本の仏教では、ニルヴァーナへと至るための修行方法(道)が失われて久しい。いくら日本の仏教(伝統仏教から新興宗教の仏教まで)を一生懸命行ったところで、ニルヴァーナへと至ることはできないであろう。その途上にすら到達できないかもしれない。

ニルヴァーナへと至る失われた道(修行体系)とは、七科三十七道品と呼ばれるものであり、その各々の内容について分類し、解説していくことにしよう。


○仏教の修行体系

1.七科三十七道品(阿含経の修行体系)
2.修行体系の分類(基本修行科目と総合修行科目)
3.基本修行科目
4.総合修行科目


阿含経には、七科三十七道品の修行科目の名称や項目は出てくるが、詳しい内容までは述べられていない。経典に記述されているのは、七科三十七道品の簡単な内容説明だけである。そのため後世には、七科三十七道品の修行科目の内容があいまいとなり、具体的には何を指しているのか、どのようにすればよいのかが、よく分らなくなってしまった。そのため同じ八正道を指していても、さまざまな解釈が生まれる余地が生じてしまったのである。
七科三十七道品の具体的な内容については、仏教哲学(論蔵)であるアビダルマ論書の方にもう少し詳しい記述がある。


注)
仏教での三蔵とは、仏教文献全体を大きく三つに分類し、まとめたものを指している。「蔵」とは「くら」という意味で、仏教文献全体をまとめたカテゴリーである。三蔵とは、次のものを指す。

1.経蔵
ブッダの説いたとされる教えをまとめた文献。
2.律蔵
規則・道徳・生活様相(戒律)などをまとめた文献。
3.論蔵
経や律についての注釈や解釈などを集めた文献。

0 件のコメント:

コメントを投稿