2011年5月4日水曜日

四諦(四聖諦、苦集滅道)[仏教の基礎知識(2)]

四諦とは、ブッダが説いた、四つの真理(苦、集、滅、道)のことである。
四諦は、四諦の法門、四聖諦とも呼ばれる。ここで「諦」とは「明らかにすること」、「真理」とでもいう意味で用いている。

○四諦(四聖諦)
① 苦諦(くたい)
② 集諦(じゅうたい)
③ 滅諦(めつたい)
④ 道諦(どうたい)

四諦の各々について、もう少し詳しく解説しておこう。ブッダは基本的に、人間のこういう人生の真相を認識していたがゆえに、苦を滅した状態(ニルヴァーナ)へと到る方法を説いたのである。

1.苦諦
苦諦とは、人生が苦であるということである。
苦とは、人生の真相、現実であり、ブッダの人生観の根本である。そして、これこそ人間の生存自身のもつ必然的な姿である。このような人間存在の苦を示すために、仏教では四苦を説き、さらには四苦八苦を説いている。

四苦とは、次のものである。
① 生(生きること)
② 老(老いること)
③ 病(病気になること)
④ 死(死ぬこと)

さらに四苦八苦という場合には、次のものを付け加える。
⑤ 愛別離苦(愛する対象と別れねばならない苦)
⑥ 怨憎会苦(憎む対象に出会わなければならない苦)
⑦ 求不得苦(求めても得られない苦)
⑧ 五陰盛苦(人間の生存自身を示す苦、五陰を集めたものすべてが苦)

2.集諦
集諦とは、さまざまな悪因を集めたことによって、苦が現れたものであるということである。
「集」とは招き集めることで、苦を招き集めるものが、煩悩であるというのである。
仏教において、苦の原因の構造を示して表しているのは、十二因縁(十二縁起)である。十二縁起とは、苦の12の原因とその縁を示している。だから、無明も渇愛も、苦の根本原因である。

3.滅諦
滅諦とは、苦のなくなった状態のことである。
苦の滅という状態が存在することであり、苦のなくなった状態とは、ニルヴァーナの境地であり、一切の煩悩から解放された境地であり、解脱といえる。

4.道諦
道諦とは、苦を滅した状態(ニルヴァーナ)を獲得する方法のことである。
つまり、ニルヴァーナへと到る実践的な修行体系を指している。これが仏道と呼ばれるもの、すなわちブッダの体得した解脱への道である。
その具体的な方法は、後で詳しく説明する七科三十七道品といわれる修行体系である。

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