2011年5月27日金曜日

五根と五力・七覚支・八正道の違い[各総合修行科目の特徴(2)]

総合修行科目(五根と五力、七覚支、八正道)の各々の特徴をまとめておこう。


1.五根と五力

五根と五力では、ブッダへの信を持つことから始まり、四念処を実践したことによる智慧が付け加えられている。このように五根五力では、ブッダへの信があることから始めて、四正断、四念処、四如意足をシンプルに実行することに重きを置いている。
ブッダへの強い信を持つ者であれば、解脱への重要な修行に重点を置いた、四正断、四念処、四如意足をストレートに実行することができる。


2.七覚支

七覚支では、四念処の実践から始まって、それによって得られる選択力や、四正断の実践、それによって得られる喜び、四如意足の実践、それによって得られる捨て去ることなどが付け加えられている。
このように七覚支では、四念処から始めて、四念処、四正断、四如意足による、自分自身の内側の変化、気づきに重きを置いている。
四念処による自己への深い洞察と気づきから、深い瞑想へと導く修行といえる。四念処が得意ならば、自分自身の内側の変化、気づきに重き置く、この方向性を持った修行に取り組むべきである。


3.八正道

八正道では、意識して正しい見解を持つことから始まり、正しい考え、正しい言葉、正しい行動、正しい生活を意識することが付け加えられている。
このように八正道では、正しい見解を持つことから始め、日常生活のすべてに対して、正しくあるように、意識的に行動することに重きを置いている。
意識的に正しい(と思う)ことを、日々の生活の中で行う、というのが八正道の考え方である。一般人にとって、これはとても分りやすい考え方である。そのため一般には、八正道が多く説かれることになったものと思われる。
八正道においても意識的に正しいことを行う中で、四正断、四念処、四如意足の修行にも取り組んでいくのである。

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